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昼間・運転中の急な眠気の正体

昼間・運転中の急な眠気でお困りの方へ

昼間の急な眠気・運転中の急な眠気はあなただけではありません

仕事中の会議で意識が飛んでしまう

✅運転中に瞼が重くなり、ハッとして目が覚める

✅食事の後でもないのに、突然襲ってくる強烈な眠気

このような症状に心当たりはありませんか。実は、昼間の異常な眠気や運転中の急な眠気に悩む方は想像以上に多く、その背後にはさまざまな原因が隠れています。昼間・運転中の強い眠気は、睡眠不足だけでなく、睡眠時無呼吸症候群(OSA)、概日リズムの乱れ、薬剤の影響などさまざまな要因で起こります。自己判断で放置せず、原因を特定して治療することが重要です。

なぜ昼間に急な眠気が襲ってくるのか

昼間の強い眠気には、実にさまざまな原因が考えられます。原因を正しく理解することが、適切な対処への第一歩となります。

睡眠不足・睡眠の質の低下

最も多い原因は、やはり睡眠不足です。成人は原則として1日7時間以上の睡眠が推奨されますが、現代社会では多くの方がこの時間を確保できていません。また、時間は足りていても、睡眠の質が悪ければ同じような症状が現れます。

深夜のスマートフォン使用、不規則な生活リズム、ストレスなどが睡眠の質を低下させる要因となります。週末の寝だめも、かえって体内時計を狂わせ、月曜日の眠気を悪化させることがあります。

睡眠時無呼吸症候群

十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中の眠気が改善しない場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。睡眠中に一定以上の無呼吸状態に陥る病気で、多くはいびきを伴います。

睡眠中に何度も呼吸が止まることで、脳が頻繁に覚醒反応を起こし、深い眠りが得られません。本人は眠っているつもりでも、実際には質の良い睡眠がとれていないのです。睡眠時無呼吸症候群は肥満に多い一方、下顎後退・扁桃肥大・鼻炎/鼻中隔彎曲など解剖学的な理由でも起こります。睡眠時間が足りているのに日中眠い場合は、この病気を疑います。※高血圧や心不全などにも関わる疾患のため当院でも検査やCPAP治療を行っております。

薬の副作用

意外に見落とされがちなのが、薬の副作用による眠気です。風邪薬、花粉症の薬、睡眠薬、精神安定剤など、多くの薬に眠気を引き起こす成分が含まれています。特に抗ヒスタミン薬は、アレルギー症状を抑える一方で、強い眠気を引き起こすことがあります。

服薬中の方は、薬の説明書を確認し、眠気の副作用がないか確認してみてください。最近は眠気の少ない薬も開発されていますので、医師に相談することで薬の変更も可能です。

ナルコレプシー

夜間にしっかり眠っているにもかかわらず、日中に耐えられないほどの強い眠気や居眠りが突然しかも頻繁に現れる睡眠障害です。食事中や会話中など、通常では考えられない状況で突然眠ってしまうことがあります。10代から20代での発症が多く、感情が高ぶったときに脱力発作を起こすこともあります。脳内の覚醒を維持する物質(オレキシン)の不足が原因と考えられています。※睡眠を専門とされるクリニックの受診をお勧めします。

特発性過眠症

特発性過眠症は夜間長時間睡眠や睡眠慣性を伴い、日中強い眠気が持続することがあります。原因は明らかではなく、若い世代に多く見られます。夜間の睡眠時間が10時間以上と長くても、日中の眠気が改善しないのが特徴です。※睡眠を専門とされるクリニックの受診をお勧めします。

うつ病・気分障害

秋から冬にかけて抑うつ気分が出て、春や夏になるとよくなることを繰り返す冬季うつ病(季節性感情障害)など、精神的な疾患も過眠の原因となります。気分の落ち込み、意欲の低下、集中力の欠如とともに、強い眠気や過眠が現れることがあります。

女性特有の原因

PMS(月経前症候群)では、月経前の3~10日の間、眠気・集中力の低下、睡眠障害などが現れます。女性ホルモンの変動が眠気に影響を与えており、月経が始まると症状は軽快します。

その他の原因

甲状腺機能低下症、糖尿病、慢性疲労症候群、むずむず脚症候群など、さまざまな疾患が日中の眠気を引き起こすことがあります。また、シフトワークや時差ボケなど、生活リズムの乱れも原因となります。

運転中の眠気は特に危険です

運転中の眠気は、単なる不快な症状では済まされません。一瞬の居眠りが重大な事故につながる可能性があるからです

マイクロスリープという恐怖

マイクロスリープとは、数秒〜十数秒程度のごく短い「一瞬の眠り」のことを指します。本人は目を開けているつもりでも、脳の働きが一時的に低下しており、周囲の状況を正しく認識できません。とくに運転中に起こると非常に危険です。

たとえば、時速60kmで走行中に3秒間マイクロスリープが起こると、約50mを無意識のまま進んでしまいます。時速90kmでは同じ3秒で約75m進む計算になり、この間に前方の歩行者や車の動きに反応することはほぼできません。ほんの数秒でも、重大事故につながる距離を走行してしまうことになります。

マイクロスリープは「ちょっとぼーっとしただけ」「まばたきが長くなっただけ」と勘違いされやすいのですが、実際には脳が「これ以上起きていられない」と強制的に休もうとしているサインです。起こる瞬間は自分で予測できず自覚も乏しいため非常に危険です。「少しウトウトしただけ」と思っても、実際には事故につながりやすい状態です。運転中や高所作業中に眠気を感じた場合は、窓を開ける・ガムを噛むといった一時しのぎではなく、安全な場所に停車して休憩をとることが大切です。

事故リスクの増大

睡眠時無呼吸症候群があると、ない人に比べて交通事故の危険が高くなることが報告されています。(概ね1.2–4.9倍)。CPAPなど適切な治療を行うと、この事故リスクは有意に下げられるとされています。

重大事故では睡眠関連要因が指摘された事例があります(関越道バス2012、山陽新幹線2003など)

運転免許更新時の申告について

平成26年の道路交通法改正により、運転免許の取得・更新の際には、日中に眠り込んでしまう病気の有無について申告が求められます。虚偽の申告には「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科されることがあります。また、適切な治療を受けていることが診断書などで確認できれば、更新できる場合があります(最終的な判断は各都道府県の公安委員会が行います)。

まずは原因を特定することから

昼間の強い眠気には、睡眠時無呼吸症候群のほか、睡眠の量・質の低下、精神的なご病気、薬剤の影響などさまざまな原因があります。当院では「まず無呼吸がないか」を入り口として確認し、必要に応じて適切な専門科へつなぐことを目的に診察を行っています。

①問診

睡眠時間、睡眠の質、いびきの有無、日中の眠気のパターン、服薬状況、生活習慣などをお聞きします。ご家族からの情報(いびきや無呼吸の目撃など)も重要な手がかりとなります。ご家族の同席が難しければ、メモでも十分助かりますので是非ご家族からの情報提供をお願いいたします。

②睡眠時無呼吸症候群に関する簡易検査の実施

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、自宅で行える簡易検査をお勧めしています。手や指にセンサーを装着し、無呼吸による低酸素状態を測定することと鼻に呼吸センサーを装着して気流やいびきを測定する検査を行います。小型の機会を装着して普段通りお休みいただくだけで検査できます。

※ナルコレプシーや特発性過眠症などの診断に行われるMSLT検査(反復睡眠潜時検査)は当院では対応しておりません

③原因に応じた診療科の提案について

  • 検査で睡眠時無呼吸症候群の可能性が高い場合
    CPAP治療の適応や、扁桃肥大・鼻の通りなど解剖学的な要因の評価が必要になりますので、連携している医療機関へご紹介します。紹介先でCPAP導入や詳しい検査(終夜ポリソムノグラフィー)を行っていただきます。
    ※ご希望があれば連携先以外の医療機関あてにも紹介状を作成いたします。

  • 検査で睡眠時無呼吸症候群の可能性が低い場合
    気分の落ち込み・不安・ストレスに伴う眠りの質の低下が主な場合は睡眠薬の調整や心理的サポートが有効なことがありますので、心療内科・精神科の受診をご案内します。また日中の過度な眠気が続く病気(ナルコレプシー、特発性過眠症など)が疑われることがありますが、これらの診断にはMSLTなど専門的な検査が必要です。この場合は睡眠専門クリニック・睡眠医療を行っている医療機関の受診をお勧めます。ご希望であれば、検査結果などを含めた紹介状をお渡しします。(※特定の医療機関への紹介はございません)

今すぐできる対策

睡眠習慣の改善

毎日同じ時間に寝起きする、寝る前のスマートフォンを控える、寝室を暗く静かに保つ、カフェインやアルコールを控えるなど、基本的な睡眠衛生を見直してみましょう。

短時間の仮眠

日中眠気を感じたら、10~15分程度の短い仮眠が効果的です。ただし20分以上寝ると、かえって眠気が残るため注意が必要です。

運転時の注意

運転中に眠気を感じたら、無理をせず安全な場所で休憩を取ってください。窓を開ける、ガムを噛む、顔を洗うなどの応急処置もありますが、根本的な解決にはなりません。眠気が強い場合は、運転を控える勇気も必要です。

睡眠時無呼吸症候群セルフチェック(Epworth Sleepiness Scale:ESSエプワース眠気尺度)

下記の質問に答えることで睡眠時無呼吸症候群の可能性を調べることができます。すべての項目に答えて頂き合計点数が11点以上の場合は睡眠時無呼吸症候群が疑われますので、一度ご相談ください。

  ほとんど眠らない たまに眠る よく眠る ほとんど眠る
座って本を読む時
テレビを見ている時
会議や映画館、劇場などで静かに座っている時
座りながら手紙や書類を書いている時
座りながら人と会話をしている時
午後、横になり休んでいる時
昼食後、静かに座っている時
誰かが運転する車に同乗している時
Apple Watchで睡眠時無呼吸症候群(SAS)の兆候をチェックする

参考記事:Apple Watchで睡眠時無呼吸症候群(SAS)の兆候をチェックする方法▶

「たかが眠気」と軽視せずに、早めのご相談を

「いびきが強くなった」「昼間の眠気で仕事や運転に支障が出る」といった場合は、一度ご相談ください。

京都市東山区のいとう内科クリニックでは、在宅での簡易検査の手配や治療のご説明を行います。睡眠時無呼吸症候群の場合、CPAP療法により多くの方が日中の眠気から解放されています。す。CPAP療法は健康保険の対象で、自己負担はおおむね月4,000〜5,000円前後が目安です(機器・保険負担割合などで変動します)。

「最近、昼間の眠気がひどい」「運転中にヒヤッとすることが増えた」「家族から心配されている」など、少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

あなたの健康と安全、そして周りの方々の安全のためにも、早めの受診をお勧めいたします。

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