メニュー

脳卒中について

脳卒中とは|脳梗塞・脳出血・一過性脳虚血発作(TIA)を防ぐために

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりすることで起こる病気の総称です。 代表的には、脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の中で出血が起こる脳出血、脳の表面の血管から出血するくも膜下出血があります。また、一過性脳虚血発作(TIA)は、脳梗塞に似た症状が一時的に出て、その後改善する状態です。 症状が消えるため見逃されやすい一方で、脳梗塞の前触れとなることがあるため注意が必要です。 「症状が治まったから大丈夫」と自己判断せず、救急受診や専門医療機関での評価が必要になる場合があります。脳卒中は突然発症し、命に関わることや後遺症を残すことがあります。 一方で、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、不整脈、喫煙、肥満、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群などを適切に確認・管理することで、発症リスクを下げられる可能性があります。

★こんな場合は救急要請を検討してください!

急に片側の手足に力が入らない、ろれつが回らない、言葉が出ない、急な激しい頭痛などがある場合

脳卒中とは

脳卒中は、脳の血管に異常が起こり、脳の細胞に十分な血液や酸素が届かなくなったり、脳内や脳の周囲に出血が起こったりする病気です。 脳の細胞は血液や酸素が不足すると障害を受けやすく、治療開始までの時間が重要になります。脳卒中は「突然起こる病気」という印象がありますが、その背景には高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、動脈硬化、喫煙、肥満、慢性腎臓病などが関係していることがあります。 健康診断で異常を指摘された段階から対策を始めることが、脳卒中予防につながります。

脳卒中の主な種類

病気の種類 起こり方 主な原因・関連因子 代表的な症状 注意点  
脳梗塞 脳の血管が詰まり、脳の一部に血液が届きにくくなる病気です。 高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、慢性腎臓病、動脈硬化、喫煙などが関係します。 片側の手足の脱力・しびれ、ろれつが回らない、言葉が出ない、視野障害など。 発症からの時間が治療方針に関わるため、急な症状では救急対応が必要です。  
脳出血 脳の中の血管が破れて出血する病気です。 高血圧が重要な危険因子です。その他、血管の異常、抗血栓薬、出血しやすい状態などが関係する場合もあります。 片側の麻痺、頭痛、嘔吐、意識障害、ろれつが回らないなど。 脳内の出血の場所や量によって重症度が変わります。急性期は専門医療機関での評価が必要です。  
くも膜下出血 脳の表面を覆う膜の間に出血する病気です。 脳動脈瘤の破裂などが関係します。高血圧、喫煙、多量飲酒なども関連します。 突然の激しい頭痛、吐き気、意識障害など。 「今まで経験したことがないような頭痛」は救急対応が必要です。  
一過性脳虚血発作(TIA) 一時的に脳の血流が悪くなり、脳梗塞に似た症状が短時間出現する状態です。 動脈硬化、心房細動、頸動脈狭窄、高血圧、糖尿病、脂質異常症などが関係することがあります。 一時的な片側の脱力・しびれ、言葉の出にくさ、視野障害、ろれつが回らないなど。 症状が消えても、脳梗塞の前触れとなることがあります。自己判断で様子を見ないことが大切です。  

一過性脳虚血発作(TIA)とは

一過性脳虚血発作(TIA)は、一時的に脳の血流が悪くなり、脳梗塞に似た症状が短時間出現する状態です。 片側の手足の脱力やしびれ、ろれつが回らない、言葉が出ない、視野が欠けるなどの症状が、数分から短時間で改善することがあります。症状が改善すると「治った」と考えてしまうことがありますが、TIAは脳梗塞の前触れとなることがあります。 症状が消えた場合でも、自己判断で様子を見ることは避け、救急受診や脳神経内科・脳神経外科など専門医療機関での評価を検討してください。急性期の診断には、MRI、CT、血管評価、心電図、血液検査などが必要になる場合があります。 内科クリニックでは、脳卒中の危険因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、不整脈、慢性腎臓病などの確認と管理が重要です。 ただし、急性期の脳卒中やTIAが疑われる場合は、クリニックで完結せず、救急病院や専門医療機関との連携が必要になります。

TIAで特に大切なこと:
一時的でも、片側の手足の脱力・しびれ、ろれつが回らない、言葉が出ない、視野障害などがあった場合は、 「症状が治まったから大丈夫」と判断しないことが大切です。

すぐ救急要請を検討する症状

以下のような症状が突然出た場合は、脳卒中の可能性があります。

  • 片側の顔がゆがむ
  • 片側の手足に力が入らない
  • 片側の手足がしびれる
  • ろれつが回らない
  • 言葉が出ない、理解できない
  • 急な激しい頭痛
  • 急な視野障害、ものが二重に見える
  • 急なふらつき、歩けない
  • 意識がぼんやりする
  • 症状が一時的に改善したが、同じような症状があった

このような症状が突然出た場合は、クリニックへの電話や通常受診ではなく、救急要請を検討してください。

症状が一時的に治まった場合でも、一過性脳虚血発作(TIA)などの可能性があるため、自己判断で様子を見ないことが大切です。

脳卒中を疑うサイン「FAST」

脳卒中では、早く気づき、早く救急対応につなげることが重要です。 患者さんやご家族にも覚えやすい合言葉としてFASTがあります。

項目 意味 確認のポイント
Face 顔の片側が下がる、顔がゆがむ、うまく笑えない。
Arm 片腕が上がらない、片側の手足に力が入らない。
Speech 言葉 言葉が出にくい、ろれつが回らない、話の内容が理解できない。
Time 時間 発症時刻を確認し、すぐに救急対応を検討します。

健診異常と脳卒中の関係

健康診断で指摘される異常の中には、脳卒中や循環器病の危険因子と関係するものがあります。 特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、不整脈、喫煙、肥満、慢性腎臓病などは、脳卒中予防の観点から確認が必要です。

項目 健診・検査で指摘されること 脳卒中との関係 内科で確認したいこと
高血圧 血圧が高い、家庭血圧も高い。 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に関係する重要な危険因子です。 診察室血圧、家庭血圧、生活習慣、薬物治療の必要性を確認します。
糖尿病 血糖値、HbA1cが高い。 動脈硬化を進め、脳梗塞などのリスクと関係します。 血糖管理、合併症、腎機能、生活習慣を確認します。
脂質異常症 LDLコレステロール、中性脂肪が高い。HDLコレステロールが低い。 動脈硬化を進める要因となり、脳梗塞や心血管疾患と関係します。 脂質の値、動脈硬化リスク、食事・運動・薬物治療の必要性を確認します。
心房細動・不整脈 心電図異常、不整脈、脈の乱れを指摘される。 心房細動では心臓内に血栓ができ、脳の血管に飛ぶことで心原性脳塞栓症の原因となることがあります。 心電図、必要に応じてホルター心電図、抗凝固療法の適応などを医師が個別に判断します。
慢性腎臓病(CKD) eGFR低下、尿たんぱく、血清クレアチニン高値など。 CKDは全身の血管障害と関連し、脳卒中・循環器病イベントの危険因子とされています。 腎機能、尿検査、血圧、糖尿病、脂質異常症、薬剤の影響を確認します。
喫煙 喫煙習慣がある。 動脈硬化、血管障害、脳卒中リスクに関係します。 禁煙の必要性、禁煙支援の方法を確認します。
肥満・睡眠時無呼吸症候群 BMI高値、腹囲高値、いびき、日中の眠気など。 高血圧、糖尿病、不整脈と関係することがあります。 体重管理、睡眠時無呼吸症候群の可能性、必要に応じた検査を確認します。
多量飲酒 飲酒量が多い、休肝日が少ない。 高血圧や出血性脳卒中などと関連することがあります。 飲酒量、肝機能、血圧、生活習慣を確認します。
家族歴 家族に脳卒中を起こした方がいる。 体質や生活習慣が関係する場合があります。 血圧、脂質、血糖、喫煙、肥満など修正可能な危険因子を確認します。

内科クリニックでできる脳卒中予防

内科クリニックでは、急性期脳卒中の画像診断や治療そのものを行うのではなく、 脳卒中や循環器病の危険因子である生活習慣病、心房細動、慢性腎臓病などを確認し、発症リスクを下げるための管理を行います。

確認・対応できること 目的
血圧測定、家庭血圧の確認 高血圧の程度を確認し、脳梗塞・脳出血予防につなげます。
血液検査 糖尿病、脂質異常症、腎機能、肝機能などを確認します。
尿検査 尿たんぱくなどを確認し、慢性腎臓病や生活習慣病の影響を評価します。
心電図 心房細動、不整脈、心疾患の可能性を確認します。
必要に応じたホルター心電図 一時的な不整脈や発作性心房細動の確認に役立つ場合があります。
生活習慣病の治療 高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などを継続的に管理します。
禁煙支援、体重管理 動脈硬化や高血圧のリスク低下を目指します。
睡眠時無呼吸症候群の確認 高血圧や不整脈との関連を確認します。
必要に応じた専門医療機関への紹介 脳神経内科、脳神経外科、救急病院での画像検査や専門的評価が必要な場合に連携します。

重要: 脳卒中が疑われる急性症状の診断や治療には、CT、MRI、血管評価などを含む救急病院・専門医療機関での評価が必要です。 急な神経症状がある場合は、通常の内科外来ではなく救急対応を優先してください。

脳卒中を予防するために大切なこと

  • 血圧を適切に管理する
  • 糖尿病を放置しない
  • LDLコレステロールや中性脂肪を確認する
  • 心房細動を見逃さない
  • 腎機能低下や尿たんぱくを放置しない
  • 禁煙する
  • 飲酒量を見直す
  • 適正体重を目指す
  • 睡眠時無呼吸症候群を放置しない
  • 薬を自己判断で中止しない
  • 定期受診を継続する
  • 症状が一時的に治まっても自己判断しない

受診をご検討ください

  • 健診で血圧が高いと言われた
  • 糖尿病、脂質異常症を指摘された
  • 心電図異常、不整脈を指摘された
  • 腎機能低下、尿たんぱくを指摘された
  • 動悸、脈の乱れがある
  • 睡眠時無呼吸症候群が疑われる
  • 家族に脳卒中の方がいる
  • 生活習慣病をしばらく放置している
  • 脳卒中予防について相談したい

よくある質問 Q &A

Q1 脳卒中とは何ですか?

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳に障害が起こる病気の総称です。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがあります。

Q2 脳梗塞と脳出血は何が違いますか?

脳梗塞は脳の血管が詰まる病気です。脳出血は脳の中の血管が破れて出血する病気です。どちらも突然発症し、命に関わることや後遺症を残すことがあります。

Q3 一過性脳虚血発作(TIA)とは何ですか?

TIAは、一時的に脳の血流が悪くなり、脳梗塞に似た症状が短時間出現する状態です。症状が消えても、脳梗塞の前触れとなることがあります。

Q4 症状がすぐ治まった場合でも受診は必要ですか?

必要になる場合があります。片側の手足の脱力、しびれ、ろれつが回らない、言葉が出ないなどの症状が一時的にでもあった場合は、TIAなどの可能性があります。自己判断で様子を見ず、救急受診や専門医療機関での評価を検討してください。

Q5 どのような症状があれば救急車を呼ぶべきですか?

急な顔のゆがみ、片側の手足の脱力・しびれ、ろれつが回らない、言葉が出ない、急な激しい頭痛、急な視野障害、意識障害などがある場合は、救急要請を検討してください。

Q6 健康診断で血圧が高いだけでも脳卒中のリスクになりますか?

高血圧は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血と関係する重要な危険因子です。健診で血圧が高いと言われた場合は、家庭血圧も含めて確認し、必要に応じて内科で相談することが大切です。

Q7 心房細動を指摘された場合、なぜ脳梗塞に注意が必要ですか?

心房細動では、心臓の中に血栓ができることがあります。その血栓が脳の血管に流れると、心原性脳塞栓症という脳梗塞の原因となることがあります。治療方針は年齢、併存疾患、出血リスクなどを含めて医師が判断します。

Q8 脳卒中は予防できますか?

すべての脳卒中を完全に予防できるわけではありませんが、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、喫煙、肥満、慢性腎臓病などを適切に管理することで、発症リスクを下げられる可能性があります。

Q9 内科クリニックでは脳卒中の予防として何ができますか?

血圧測定、家庭血圧の確認、血液検査、尿検査、心電図、必要に応じたホルター心電図などを行い、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、慢性腎臓病などを確認・管理します。必要に応じて専門医療機関へ紹介します。

Q10 脳卒中が心配な場合、何科を受診すればよいですか?

急な神経症状がある場合は救急受診が必要です。症状がなく、健診異常や生活習慣病、脳卒中予防について相談したい場合は、内科・循環器内科で危険因子の確認ができます。神経症状や画像検査が必要な場合は、脳神経内科・脳神経外科などの専門医療機関での評価が必要になることがあります。

Q11 脳梗塞や脳出血の詳しい内容はどこで確認できますか?

脳梗塞、脳出血については、それぞれ詳細ページを作成を予定しています。症状、原因、検査、治療、予防について詳しく確認したい方は、下記の内部リンクをご覧ください。

関連ページ

参考情報

本ページは、日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕」、日本脳卒中学会・日本循環器学会ほか「脳卒中と循環器病克服 第三次5ヵ年計画」、厚生労働省e-ヘルスネット、国立循環器病研究センター、日本高血圧学会、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会などの公的・専門的情報を参考に、患者さん向けにわかりやすく整理したものです。

  • 日本脳卒中学会:脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕
  • 日本脳卒中学会・日本循環器学会ほか:脳卒中と循環器病克服 第三次5ヵ年計画
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット:脳血管障害・脳卒中
  • 国立循環器病研究センター:脳卒中に関する患者向け情報
  • 日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン
  • 日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン
  • 日本糖尿病学会:糖尿病診療ガイドライン
  • 日本循環器学会:不整脈関連ガイドライン

本ページは、脳卒中、脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作(TIA)、生活習慣病に関する一般的な情報提供を目的としています。 診断や治療は、患者さんごとの症状、診察所見、検査結果、既往歴、内服薬などを踏まえて医師が個別に判断します。 急性期脳卒中が疑われる場合は、CT、MRI、血管評価などを含む専門医療機関での評価が必要になる場合があります。 急な神経症状がある場合は、通常の外来受診ではなく救急要請を検討してください。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME