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帯状疱疹ワクチン予防接種(不活化ワクチン:シングリックス🄬) 

京都市高齢者帯状疱疹ワクチン定期接種 不活化ワクチン(シングリックス🄬)/シングリックス(帯状疱疹ワクチン)自費予防接種

帯状疱疹とは

『水痘・帯状疱疹ウイルス』が原因の病気です。日本人の90%が罹患しており体に潜伏しています。通常時は問題ないのですが、加齢・疲労・ストレスなどによって免疫機能が低下すると再びウイルスが目覚め、様々な形で発症します。80歳までに3人に一人が帯状疱疹に罹患すると言われています。一度発症しても約6%の割合で繰り返し発症することがあります。症状としては、痛みや痒みを伴う発疹でスタートし小さな水ぶくれに変化すると次第に数を増し、一部には膿がたまります。1週間ほどで水ぶくれや膿が破れてかさぶたになって3週間前後で皮膚症状治りますが、色素沈着や傷跡が残る場合もあります。また発症する部位によっては顔面神経麻痺・運動神経麻痺・聴覚障害・神経痛・視力障害などの後遺症を残すこともあります。

Shiraki K., Toyama N.et al,;Open Forum Infect Dis.4(1).ofx007.2017 を参考に作図

京都市高齢者帯状疱疹ワクチン定期接種対象者(令和7年度)

必須条件:京都市市民であること(住民票が京都市)

(1)当該年度に65歳になる方

(2)満60~64歳の方で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害があり、日常生活を極度に制限される方。

(3)当該年度に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方 (※令和7年度~令和11年度までの経過措置)

(4)当該年度に101歳以上になる方(※令和7年度のみの措置)

令和7年度対象者の生年月日
対象者 生年月日
65歳となる方 1961(S35)年4月2日生~1962(S36)年4月1日生
70歳となる方 1956(S30)年4月2日生~1957(S31)年4月1日生
75歳となる方 1951(S25)年4月2日生~1952(S26)年4月1日生
80歳となる方 1946(S20)年4月2日生~1947(S21)年4月1日生
85歳となる方 1941(S15)年4月2日生~1942(S16)年4月1日生
90歳となる方 1936(S10)年4月2日生~1937(S11)年4月1日生
95歳となる方 1931(S05)年4月2日生~1932(S6)年4月1日生
100歳となる方 1926(T14)年4月2日生~1927(T15)年4月1日生
101歳以上となる方 1926(T14)年4月1日以前生

自費予防接種対象者

50歳以上の方

②帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方

ご予約に関して

①来院してご予約 ②診療時間内に電話でご予約になります。

電話予約はこちら

ワクチンが取り寄せになりますので、事前予約が必要です

予防接種料金:当日受付にて『現金』でお支払い下さい。クレジットカード不対応

値段表※ワクチンによって証明されている予防効果を得るためには2回接種が必要です。

  1回の費用 2回の合計費用
京都市公費負担の方 18000円 36000円
自費接種の方 22000円 44000

注意事項:不活化ワクチンは2回接種が必要です。2回目は1回目から2ヵ月空ける必要があります。定期接種終了直前だと2回目の接種が間に合わないため、遅くとも2015年12月までに1回目の接種をお勧めいたします。

帯状疱疹ワクチンは2種類あります。当院では予防効果などを重視してシングリックスを採用しております。

シングリックス予診票(自費接種用)

シングリックスを接種される方へ(患者さん用パンフレット)

基礎疾患と帯状疱疹の発症

糖尿病やがんなどの免疫機能が低下する病気が原因となることもあります。

帯状疱疹の発症に関連があると報告された17疾患のある患者さんを対象にした調査・分析です。帯状疱疹発症のリスクはそれぞれ以下のようになっていました。

疾患 疾患がない方とした場合に、疾患がある方のリスク
高血圧 約1.9倍
糖尿病 約2.4倍
関節リウマチ 約2.0倍
腎不全 約2.2倍
悪性リンパ腫 約8.4倍
全身性エリテマトーデス 約4.1倍

※疾患がない方とは17疾患のうち対象となる疾患に罹患していなかった方を意味します。

※帯状疱疹の発症に関連があると報告された17疾患

糖尿病・高血圧・腎不全・全身性エリテマトーデス・関節リウマチ・シェーグレン症候群・脳腫瘍・肺がん・乳がん・食道がん・胃がん・大腸がん・婦人科がん・悪性リンパ腫・椎間板ヘルニア・白内障・うつ病

参考文献 Hata A.et aL,:Infection.39(6).537-544.2011 

帯状疱疹にかかることで発症率に影響がある疾患

表は帯状疱疹にかかることで、発症率が上昇したと報告された疾患です。(海外データ)

疾患 帯状疱疹に罹っていない人をとした場合に、帯状疱疹発症後30日以内に病気を起こすリスク
心筋梗塞 約1.4倍
脳卒中 約1.9倍

参考文献 Parameswaran Gl.et al.;Clin Infect Dis. 76(3).e1335・e1340.2023

     Parameswaran Gl.et al.;Open Forum  Infect Dis. 10(4).ofad137.2023

シングリックスと弱毒生ワクチンの比較
  シングリックス 弱毒生水痘ワクチン
ワクチンの種類 不活化ワクチン 生ワクチン
接種回数 2回/筋肉注射 2ヶ月間隔で接種 1回/皮下注射
発症予防効果

50歳以上で97.2%

70歳以上で97.9%

※ZOSTER-006試験/ZOSTER022試験

60歳以上で51.3%
神経痛予防効果 88.8% 66.5%
長期予防効果 10年後でも80%超持続 8年目で31.8%まで低下
副反応

注射部位疼痛・発赤・腫脹:81.5%

筋肉痛・疲労感:46.3%

発熱 18%

水痘様発疹(1-3%)など
費用 22000円×2回 当院では取り扱い無し
帯状疱疹発症率 ZOSTER-006試験より
年齢 試験対象群の発症率 有効性
シングリックス群 プラセボ群(薬無し)
50歳以上 0.081% 2.83% 97.2%

年齢別 解析

50-59歳 0.085% 2.46% 96.6%
60-69歳 0.093% 3.46% 97.4%
70歳以上 0.058% 2.78% 97.9%
帯状疱疹後神経痛発症予防 帯状疱疹後神経痛発症数/帯状疱疹発症数の比較

・50歳以上(ZOSTER-006)プラセボ群 VS シングリックス群=18例/254例  VS  0例/9例

・70歳以上(ZOSTER-022試験) プラセボ群 VS シングリックス群= 28例/223例 VS 4例/23例

シングリックスの副反応(添付文書より)

接種後7日間に起こった主な副反応としては注射部位の痛み78%,赤み38%,腫れ26%。全身性の副反応では筋肉痛40%,疲労39%、頭痛33%,悪寒24%,発熱18%,胃腸症状13%と言われています。これは体の中で強い免疫を作ろうとするためと言われています。多くの副反応は3-7日以内に弱くなっていくと報告されています。

帯状疱疹ワクチン有効性のまとめ
種別 出典 接種年数ごとの発症予防効果
1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年
生ワクチン Zostavax
Levin MJ, 2008
Morrison VA, 2015
      39.6% 22.1%
Zostavax
Tseng FT 2016
*COI:Novartis,GSK
68.7% 49.5% 39.1% 35.2% 37.1% 32.9% 16.5% 4.2%    
Zostavax
(第4回ワクチン小委(平成
28年6月22日)・阪大微研提出
資料)
62.0% 48.9% 46.8% 44.6% 43.1% 30.6% 52.8%      
Zostavax
R Baxter, 2018
*COI Merck
67.5% 47.2% 39.3% 41.0% 37.2% 32.6% 29.2% 31.8%    
Zostavax
Hector S. Izurieta, 2017
38% 32% 25% 21% 17% 17% 21%      
組換えワクチン シングリックス
A Strezova, 2022
97.7% 92.7% 92.4% 89.8% 88.5% 83.3% 84.2% 72.7% 73.2%

※各報告における条件や背景因子等が異なるため、有効性の数値の解釈には注意が必要です。

※ 下線を付した数値は、統計的に有意ではないと報告されています。

高齢の方におけるワクチンの有効性について
生ワクチン 帯状疱疹の発症予防効果 ※1 帯状疱疹後神経痛の予防効果 ※1
65~69歳 36% [95%CI:33-39%] 61% [95%CI:49-70%]
70~74歳 35% [95%CI:33-37%] 55% [95%CI:46-62%]
75~79歳 32% [95%CI:30-34%] 61% [95%CI:54-68%]
80~84歳 31% [95%CI:28-34%] 55% [95%CI:45-63%]
85~89歳 32% [95%CI:29-43%] 47% [95%CI:27-61%]

※1 :Izurieta HS, et al. Effectiveness and Duration of Protection Provided by the Live-attenuated Herpes Zoster Vaccine in the Medicare Population
Ages 65 Years and Older. Clin Infect Dis. 2017 Mar 15;64(6):785-793.

組換えワクチン 帯状疱疹の発症予防効果 ※2 ※3 帯状疱疹後神経痛の予防効果 ※3
60~69歳 97.4% [95%CI:90.1-99.7%] 100.0% [95%CI:‐442.9-100.0%]
70~79歳 90.0% [95%CI:83.5-94.4%] 93.0% [95%CI:72.4-99.2%]
80歳以上 89.1% [95%CI:74.6-96.2%] 71.2% [95%CI:51.6-97.1%]

※2:Lal H, Cunningham ,et al. Efficacy of an adjuvanted herpes zoster subunit vaccine in older adults. N Engl J Med 2015; 372(22): 2087-96.

※3:Cunningham AL, et al. Efficacy of the Herpes Zoster Subunit Vaccine in Adults 70 Years of Age or Older. N Engl J Med 2016; 375(11): 1019-32.

参考:第65回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会
予 防 接 種 基 本 方 針 部 会 厚生労働省資料

帯状疱疹ワクチンをお考えの方へ

シングリックスは、非常に高価なワクチンです。

しかし帯状疱疹に罹患した場合、帯状疱疹後神経痛視力低下顔面神経麻痺などの後遺症に悩まされる可能性があります。慢性的な痛み・視力低下・聴力低下は人生の豊かさを損なう後遺症と考えます。後遺症に悩まされる可能性は低いですが、後遺症に悩む可能性をさらに下げる方法として帯状疱疹ワクチンを取り扱っております。

 

 

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