血液検査の項目
健康診断で血液検査異常と言われた方へ|京都市東山区・南区の内科
健康診断の血液検査項目とは|異常を指摘された方へ
健康診断の血液検査では、糖尿病、脂質異常症、肝機能障害、腎機能障害、貧血、炎症、高尿酸血症など、さまざまな体の状態を確認できます。検査値が少し基準範囲を外れていても、すぐに重い病気を意味するとは限りません。一方で、血液検査の異常を放置すると、生活習慣病や動脈硬化、腎臓病、肝臓病などの早期サインを見逃すことがあります。
健康診断で「要再検査」「要精密検査」「経過観察」と書かれていた場合は、数値だけで判断せず、前年からの変化、生活習慣、内服薬、症状の有無などを含めて、内科で相談することが大切です。
健康診断の血液検査では何を調べているのか
健康診断の血液検査項目は、糖代謝、脂質、肝機能、腎機能、尿酸、血球、栄養状態、炎症反応などに分けて考えると理解しやすくなります。
血液検査項目の一覧
| 分類 | 主な検査項目 | わかること | 異常時に考える主な病気・状態 |
|---|---|---|---|
| 糖代謝 | 血糖、HbA1c | 糖尿病や糖尿病予備群の確認 | 糖尿病、境界型糖尿病、生活習慣病 |
| 脂質 | LDL、HDL、中性脂肪、総コレステロール | 動脈硬化リスクの確認 | 脂質異常症、動脈硬化、脂肪肝 |
| 肝機能 | AST、ALT、γ-GTP | 肝臓への負担や障害の確認 | 脂肪肝、肝炎、飲酒の影響、薬剤性肝障害 |
| 腎機能 | クレアチニン、eGFR、尿素窒素 | 腎臓の働きの確認 | 慢性腎臓病、脱水、腎機能低下 |
| 尿酸 | 尿酸値 | 痛風や腎障害リスクの確認 | 高尿酸血症、痛風、尿路結石 |
| 血球 | 赤血球、Hb、白血球、血小板 | 貧血、感染、血液疾患の手がかり | 貧血、炎症、感染症、血液疾患 |
| 栄養・蛋白 | 総蛋白、アルブミン | 栄養状態や肝腎機能の確認 | 低栄養、肝疾患、腎疾患 |
| 炎症 | CRP、白血球 | 炎症や感染の有無 | 感染症、炎症性疾患 |
主な血液検査項目の見方
血糖・HbA1c
血糖値とHbA1cは、糖尿病や糖尿病予備群を確認するうえで重要な検査です。血糖値は採血した時点の血液中のブドウ糖の濃度を示し、食事の影響を受けることがあります。HbA1cは、過去1〜2か月程度の血糖状態を反映する指標です。血糖値やHbA1cが高い場合は、糖尿病、境界型糖尿病、メタボリックシンドローム、脂肪肝などの生活習慣病リスクを確認する必要があります。血糖値やHbA1cについて詳しく知りたい方は、「空腹時血糖とHbA1cとは」のページもご参照ください。
LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪
LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪は、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などのリスク評価に関係する検査です。LDLコレステロールは高すぎると動脈硬化リスクにつながることがあります。HDLコレステロールは低すぎる場合に動脈硬化リスクと関係します。中性脂肪は、食事、飲酒、肥満、糖代謝異常、脂肪肝などの影響を受けることがあります。脂質の異常について詳しく知りたい方は、「総コレステロール・中性脂肪・LDL・HDLとは」のページもご参照ください。
AST・ALT・γ-GTP
AST、ALT、γ-GTPは、肝機能や肝臓への負担を確認する検査です。脂肪肝、飲酒、肝炎、薬剤の影響などで上昇することがあります。ASTやALTが正常範囲であっても、すべての肝疾患を完全に否定できるわけではありません。肝機能異常を繰り返す場合や、脂肪肝、糖尿病、脂質異常症、肥満がある場合は、腹部超音波検査や追加の血液検査が検討されることがあります。
肝機能異常は「お酒の影響」と自己判断されることがありますが、脂肪肝、ウイルス性肝炎、薬剤性肝障害などが関係する場合もあります。異常が続く場合は内科で確認しましょう。
クレアチニン・eGFR・尿素窒素
クレアチニン、eGFR、尿素窒素は、腎臓の働きを確認する検査です。特にeGFRは、腎機能を推定するために用いられます。eGFRが低い場合は、慢性腎臓病の可能性を考えることがあります。高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、メタボリックシンドロームは、腎機能低下と関連することがあります。腎機能の検査について詳しく知りたい方は、「尿素窒素・血清クレアチニン・eGFRとは」のページもご参照ください。
尿酸値
尿酸値は、高尿酸血症、痛風、尿路結石、腎機能への影響を考えるうえで重要な検査です。尿酸値が高くても、すぐに痛風発作が起こるとは限りません。しかし、症状がなくても高値が続く場合は、食事、飲酒、肥満、腎機能、血圧、血糖、脂質異常などを含めて確認することが大切です。尿酸値について詳しく知りたい方は、「尿酸値とは」のページもご参照ください。
赤血球・ヘモグロビン・白血球・血小板
赤血球やヘモグロビンは、貧血の有無を確認する検査です。ヘモグロビンが低い場合は、鉄欠乏性貧血、慢性炎症、消化管出血、婦人科疾患など、さまざまな原因を考えることがあります。白血球は感染や炎症、血小板は出血や血液疾患の手がかりになることがあります。白血球や血小板の異常は一時的な変動の場合もありますが、異常が続く場合や大きく外れている場合は再検査が必要です。
健康診断結果の記載と受診の目安
| 健診結果の記載 | 対応の目安 |
|---|---|
| 要再検査 | 一時的な変動かどうかを確認するため、内科で再検査を検討します。 |
| 要精密検査 | 原因確認のため、早めに医療機関へ相談しましょう。 |
| 要治療 | 生活習慣改善だけでなく、治療の必要性を医師と相談します。 |
| 経過観察 | 放置ではなく、次回健診や定期検査で推移を確認します。 |
| 複数項目の異常 | 生活習慣病や臓器障害が隠れていないか、総合的に確認します。 |
内科受診を検討した方がよいケース
次のような場合は、健康診断の結果を持参して内科で相談することをおすすめします。
- 血糖値やHbA1cが高い
- LDLコレステロールや中性脂肪が高い
- HDLコレステロールが低い
- 肝機能異常を繰り返している
- eGFRが低い、クレアチニンが高い
- 尿酸値が高い
- 貧血を指摘された
- 白血球や血小板の異常がある
- 複数の検査項目で異常がある
- 前年より数値が悪化している
- 家族歴や生活習慣病リスクがある
血液検査の異常は、単独の数値だけでなく、血圧、BMI、腹囲、尿検査、心電図、胸部レントゲンなどと合わせて判断することが大切です。
健診異常から生活習慣病を早期に見つけるために
健康診断の血液検査異常は、糖尿病、脂質異常症、高血圧、腎機能障害、肝機能障害、脂肪肝、高尿酸血症、メタボリックシンドロームなどの早期発見につながることがあります。特に、血糖、HbA1c、LDLコレステロール、中性脂肪、ALT、γ-GTP、クレアチニン、eGFR、尿酸値などは、生活習慣や体重変化、飲酒、運動不足、内服薬の影響も含めて確認する必要があります。
よくある質問 Q &A
Q1.血液検査で異常があったら、すぐ病気ということですか?
基準範囲を少し外れただけで、すぐに重い病気とは限りません。ただし、複数の異常がある場合や前年から悪化している場合は、生活習慣病や臓器の異常が隠れていることがあります。検査結果全体を見て判断することが大切です。
Q2.健康診断の血液検査は空腹で受ける必要がありますか?
検査項目や健診の目的によって異なります。特に中性脂肪や血糖は食事の影響を受けることがあります。健診機関や医療機関から空腹で受けるよう指示がある場合は、その指示に従ってください。
Q3.再検査と精密検査は何が違いますか?
再検査は、一時的な変動かどうかを確認する目的で、同じ検査をもう一度行うことが多いです。精密検査は、異常の原因を詳しく調べるために、追加の血液検査、尿検査、画像検査などを行うことがあります。
Q4.症状がなければ放置してもよいですか?
糖尿病、脂質異常症、高血圧、腎機能障害、脂肪肝などは、初期には症状が乏しいことがあります。症状がなくても、異常が続く場合や複数項目で異常がある場合は、内科で相談することが大切です。
Q5.どの診療科を受診すればよいですか?
血糖、脂質、肝機能、腎機能、尿酸、貧血などの健診異常は、まず内科で相談できます。診察や再検査の結果により、必要に応じて専門医療機関へ紹介される場合があります。
まとめ
健康診断の血液検査項目は、体の異常を早期に見つけるための大切な手がかりです。血糖、HbA1c、脂質、肝機能、腎機能、尿酸、貧血などの異常は、生活習慣病や臓器の負担と関係することがあります。検査値が少し外れているだけで過度に心配する必要はありませんが、「要再検査」「要精密検査」「要治療」と記載されている場合や、前年より悪化している場合は、放置せず内科で相談しましょう。最終的な診断や治療方針は、診察、問診、再検査、追加検査の結果を踏まえて判断します。健康診断の結果で気になる項目がある方は、結果用紙を持参してご相談ください。
院長 伊藤 大輔(いとう だいすけ)
