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シナモンの降圧効果は本当?高血圧の薬を減らしたい人が知るべき正しい知識

[2026.02.01]

こんにちは、いとう内科クリニック院長の伊藤です。日常の診療で患者さんから質問があった、素朴な疑問についてお答えできればと思います。

登場人物

  • I先生:総合内科・循環器内科専門医。クリニックの院長。
  • 患者Pさん:生活習慣病で通院中。インターネットや健康食品の情報に詳しい。
  • 栄養士 T:クリニックで働く栄養士さん。食の専門家。オンライン栄養指導を担当

シナモンで血圧は下がる?

診察室での会話

患者P
「先生、最近ネットで“シナモンは血圧を下げる”って見て、焼酎をやめてホットワインにして、シナモンも毎日摂るようにしたんです。実際、血圧が少し下がった気がして…」

I先生
「生活習慣を見直されたのはとても良いことですね。ただ、少し詳しく教えてください。どんなシナモンを、どれくらい摂っていますか?」

患者P
「スーパーで売っている安いシナモンパウダーです。ホットワインには砂糖と蜂蜜も入れてます。」

管理栄養士T
「Pさん、その努力は素晴らしいです。ただし、今のやり方だと血圧のために始めたことが、逆に健康リスクになる可能性があります。順番に整理してみましょう。」

観点①|シナモンの降圧効果は「補助的」

I先生
「まず大前提としてお伝えしたいのは、シナモン単独で高血圧が治ることはありません。」

患者P
「えっ、そうなんですか?」

I先生
「研究では、シナモン摂取によって収縮期血圧で約3〜5mmHg拡張期血圧で約2〜3mmHg程度の低下が報告されています。」

管理栄養士T
「これは“軽度の補助効果”で、減塩・運動・体重管理などの生活習慣改善を後押しする位置づけです。」

👉 薬の代わりになる効果ではありません。

観点②|シナモンは「種類」で安全性が大きく違う

F先生
「実はシナモンには大きく2種類あります。」

  • セイロンシナモン(真シナモン)

  • カシア(Cassia)

管理栄養士T
「スーパーで安価に売られている多くはカシアです。」

クマリンの問題

管理栄養士T
「カシアにはクマリンという成分が多く含まれます。これは長期・大量摂取で肝機能障害を起こす可能性があります。」

I先生
「欧州食品安全機関(EFSA)は、クマリンの耐容上限量(TDI)を 0.1mg/kg/日と定めています。」👉 体重60kgの場合:6mg/日まで

管理栄養士T
「カシアでは小さじ1杯弱で上限を超える可能性があります。一方、セイロンシナモンはクマリン含有量が極めて少なく、常用向きです。」

観点③|適切な摂取量の目安

管理栄養士T

  • 推奨量:0.6〜1.5g/日

  • 目安:小さじ1/4〜1/2杯

  • 毎日使うなら:必ずセイロンシナモン

I先生
「“多いほど効く”わけではありません。過剰摂取はメリットよりリスクが上回ります。」

参考:シナモンの種類と違い
項目 セイロンシナモン カシア
主な流通 専門店・輸入品 スーパー
クマリン 極めて少ない 多い
常用
香り マイルド 強い

観点④|ホットワインの「良い点」と「落とし穴」

患者P
「赤ワイン自体は体に良いんですよね?」

I先生
「適量であれば、ポリフェノールによる血管内皮機能の改善は期待できます。」

管理栄養士T
「ただし問題は、

  • アルコール

  • 糖質

  • 追加した砂糖・蜂蜜です。」

アルコールの本当の影響

I先生
「アルコールは一時的には血管を拡張しますが、長期的には交感神経を刺激し血圧上昇という二面性があります。」

👉 毎日飲酒は高血圧を悪化させます。

観点⑤|ホットワインを飲むなら守るルール

管理栄養士T

  • 砂糖・蜂蜜は入れない

  • 香り付けはスパイス(シナモン・クローブ・柑橘皮)

  • 男性:180ml/日以下

  • 女性:90〜120ml/日以下

  • 週2日は休肝日

  • 就寝直前は避ける

観点⑥|特に注意が必要な方

I先生:以下に該当する方は特に慎重にしてください。

  • 肝機能異常

  • 高トリグリセリド血症

  • 糖尿病

  • 肥満

  • 痛風

  • 睡眠障害

  • 逆流性食道炎

まとめ:「体に良い」は条件付き

管理栄養士T

  • シナモンはセイロン種を適量

  • ホットワインは無糖・少量・休肝日必須

  • 血圧改善の主役は減塩・運動・体重管理・睡眠

I先生
「数か月続けても血圧が改善しない場合は、薬物療法を併用することが最も安全で確実です。」「◯◯を食べれば治る」という情報は魅力的ですが、生活習慣病に魔法の食品は存在しません。

正しい知識と継続可能な方法を、医師・管理栄養士と一緒に選んでいきましょう。

自分の生活習慣の確認に是非「オンライン栄養指導」で栄養士さんに相談する機会をもってください!

参考文献

①Akilen R, et al.Effect of cinnamon on blood pressure: A systematic review and meta-analysis.J Clin Lipidol. 2013.

②European Food Safety Authority (EFSA).Coumarin in flavourings and food. EFSA Journal.

③日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン2019/2024改訂

よくある質問(FAQ)

Q1. シナモンは毎日摂ってもいい?

A.セイロンシナモンなら適量で毎日可です。カシアは常用不可です。

Q2. 市販のシナモンパウダーは危険?

A.多くはカシアです。毎日使う場合は非推奨です。

Q3. シナモンで薬はやめられる?

A.できません。生活習慣改善の補助です。

Q4. 高血圧の薬と赤ワインは併用できる?

A.少量なら可能ですが、飲酒自体が血圧を上げる場合もあります。

Q5. ノンアルなら問題ない?

A.ノンアル赤ワインやホットシナモンティーは良い代替です。

「食品と健康って難しいですね。少しでもお役にたてば幸いです」いとう内科クリニック院長 伊藤 大輔

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