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高血圧でも安心な鍋の食べ方|スープは飲まずに上手に減塩!

[2025.10.30]

こんにちは、いとう内科クリニック院長の伊藤です。日常の診療で患者さんから質問があった、素朴な疑問についてお答えできればと思います。

登場人物

  • I先生:総合内科・循環器内科専門医。クリニックの院長。
  • 患者Pさん:生活習慣病で通院中。インターネットや健康食品の情報に詳しい。
  • 栄養士 T:クリニックで働く栄養士さん。食の専門家。オンライン栄養指導を担当

はじめに(クリニック外来の会話より)

患者P: 先生、寒くて鍋が食べたいんですが…高血圧でも大丈夫でしょうか?ネットで「鍋は塩分が多くて危険」と見て不安です。
I先生:良い質問です。鍋は工夫すれば高血圧でも十分楽しめます。今日は管理栄養士のT先生にも入ってもらいましょう。
管理栄養士T:こんにちは。鍋は野菜や豆腐、きのこ、魚・肉を一度に食べられる“栄養バランス優等生”。ただし“塩分(食塩相当量)”に注意です。日本高血圧学会は高血圧の食塩目標を1日6g未満と明確に示しています。

 第1章:鍋はむしろ「味方」—栄養と血圧の観点

患者P: 鍋の何がそんなに良いんですか?
管理栄養士T:野菜の“かさ”が減るので食物繊維・ビタミン・ミネラル(とくにカリウム)を取りやすい。カリウムは余分なナトリウム排泄を助け、血圧を下げる効果が確認されています。
I先生:ただし慢性腎臓病(腎機能低下)ではカリウム制限が必要になることがあり、患者さん毎にそれぞれ管理が原則です。
患者P:じゃあ野菜を増やせば塩分は気にしなくてOK?
管理栄養士T:いいえ。“摂りすぎた塩分を打ち消す魔法”はありません。まず塩分自体を減らすのが最重要ですよ!!

第2章:減塩でも「ちゃんと旨い」鍋の作り方

患者P:薄味は物足りなそう…
管理栄養士T:コツは“だしで旨味を立てる”“つける>かける”“香り・酸味を足す”です。実践ポイントは——

①スープは飲まない。鍋や麺の塩分はスープに集中。飲まないだけで2–3g減らせるという実測研究や教育指導があります。
②ベースは水炊き or しゃぶしゃぶ。昆布・かつお等の天然だしで“うま味補強”。
③つけダレは少量を“つける”がお勧めですかける”は塩分一気増えるので××ですよ!!ポン酢・ごまだれは総量管理。
④香辛料・薬味・酸味を足す。ねぎ・生姜・にんにく・大葉、こしょう、柚子・レモンで塩分を足さずに満足感。
⑤市販つゆは塩分を把握。例:鍋キューブ1個で食塩相当量2.8–3.0g/人など製品例が公表されています。→濃度は“薄め”で使い、スープは残す。

☆ 実践目安(夕食1食)その日の合計を6g未満に収めるため、鍋1食は塩分≦約2g目安(スープを飲まない・薄味・“つける”方式で)

第3章:具材の選び方(高血圧&合併症別の注意)

患者P:肉団子やウインナーが好きですが…
I先生:練り物・肉団子・ウインナー等の加工品は“見えない塩分”が多め。控えめに。生の肉・魚・豆腐・野菜・きのこ中心がおすすめ。日本の食事で塩の主な供給源は家庭調理の“調味料”という国データもあります。
管理栄養士T:脂質異常症があれば脂身の多い部位は減らし、鶏むね/ささみ、豚ヒレ、白身魚や鮭**などへ。
患者P: 心不全や慢性腎臓病ではどうなんですか?
I先生:

慢性腎臓病:カリウム制限が必要な場合あります。野菜は切ってゆでこぼし等で調整。腎臓食は管理栄養士による個別栄養指導が基本ですよ。
心不全:厳格な減塩(しばしば6g未満、場合によりさらに厳格)が再入院予防に重要。スープは飲まない!必ず残すことを心がけてください!
管理栄養士T:鍋だからヘルシーと思って食べ過ぎないように注意してください。たれ・油の使い過ぎにも注意ですよ。

 第4章:〆(しめ)はどうする?

患者P:雑炊やうどんが楽しみなんですが…
管理栄養士T:〆はスープの塩分を丸ごと吸うので基本は控えるのが安全策。ご飯は別に少量、タンパク質・野菜中心で満足感を作りましょう。(日本人の鍋つゆは1人あたり5–6g/人の表示例もあり、スープ摂取は一気に塩分摂取を増やします。)

まとめ(今日からできる要点)

I先生:「鍋は危険だから禁止」ではなく、“正しい減塩スキル”で楽しく食べることが大切。
管理栄養士T:** 最後にチェックリストです。

①スープは飲まない(麺類も含む)。
②水炊き/しゃぶしゃぶ+天然だし、“つける>かける”。
③香り・酸味・薬味で満足感**(だし+香辛料+柑橘)。
④加工品は控えめ**、**生素材+野菜・きのこ多め。
⑤1日の塩分は6g未満(理想は5g未満)、鍋1食は2g以下を目安に。
⑥心不全/慢性腎臓病は管理栄養士による個別指導をお勧め(カリウム・水分の扱いに注意なため)。

患者P:工夫すれば美味しく食べられそう!
I先生:ええ。心配なときは**家庭血圧**の推移も一緒に確認しながら、あなたに合う“鍋ルール”を決めましょう。
管理栄養士T:今年の冬は、“だし力×香り”で減塩でも満足をぜひ体験してください。

「鍋の美味しい季節を前に、参考にしていただければ幸いです」いとう内科クリニック院長 伊藤 大輔

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