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心不全診療ガイドライン2025年版の主な改定点

[2025.04.16]

こんにちは。いとう内科クリニックです。

日本の心臓病患者数は年々増加傾向にあり、特に心不全は「静かなる流行病」と呼ばれるほど深刻な問題となっています。そんな中、重要な改訂がありました!日本循環器学会から2025年版の心不全診療ガイドラインが発表されました。

300ページにも及ぶ膨大なガイドラインですので、詳細は当院ホームページの「心不全の診断・治療」を見ていただければと思います。

改訂されたガイドラインのポイント

①名称の変更 急性・慢性といった表現が無くなりました

・急性期からの切れ目のない治療の重要性と,急性期と慢性期の明確な区別が困難であることを鑑み「心不全診療ガイドライン」と名称が変わりました。

②心不全リスク評価について

・心不全ステージA(心不全のリスクはあるが症状はない段階)について早期評価・予防的介入が強化されました。

③薬物療法

ガイドラインに基づく薬物治療(Guideline-directed Medical Therapy:GMDT)の推奨

・日本での保険適応が認められていない薬剤に関しても、将来に向けて情報が記載されています。

④遠隔モニタリングの積極的活用

・植込み型デバイスからのデータ送信

・ウェアラブルデバイスによる日常的な心拍数・活動量のモニタリング

・自宅での体重・血圧測定データの共有

最後に:健康な心臓を守るために今できること

新しいガイドラインの発表は、医療関係者だけでなく一般の方々にとっても重要な情報です。心不全の予防や早期発見のために、以下の点に注意してみてください

定期的な健康診断を受ける(特に40代以上の方)
高血圧や糖尿病などの基礎疾患をしっかり管理する
塩分控えめのバランスの良い食事を心がける
適度な運動を継続する
禁煙する(喫煙は心臓病のリスクを高めます)
過度のストレスを避け、十分な睡眠をとる

もし「息切れがひどくなった」「足がむくみやすくなった」「横になると息苦しい」などの症状があれば、早めに医療機関を受診してください。

健康な心臓は健康な人生の基盤です。この機会に、ご自身やご家族の心臓の健康について考えてみませんか?

 

いとう内科クリニック 院長 伊藤 大輔

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